コンピュータビジョン時代の世界的インフラへ。未来の社会を支えるKudanの技術とは

2019/10/17

インタビュー

コンピュータビジョン時代の世界的インフラへ。未来の社会を支えるKudanの技術とは

日英に拠点を持ち、人工知覚(Artificial Perception、以下AP)技術の研究開発・事業化を進める東証マザーズ上場企業のKudan株式会社(以下Kudan)。Fundsでは、事業拡大のための海外進出資金やDeep Tech企業への投資資金などを調達する予定です。

今回は取締役社長の井上氏、取締役の飯塚氏に事業の強みや今後の展望について伺いました。

機械の目を作るKudanの技術

ーーまずはKudanの事業内容について教えてください

弊社は機械の目となるAPを研究開発・事業化しています。取り組んでいる領域はコンピュータビジョンという分野の中でも、空間を認識するということに特化した技術です。

昨今よく語られる人工知能(AI)は機械の脳と呼ばれるもので、情報を元に区別や判断をする役割を担います。ただし、脳というものは情報を区別・判断するだけではなく、どのような情報があるか正しく認知する役割を担う「目」と相互に連動・補完し合うことで適切に機能します。人間も目をつぶっていては周りの状況を把握できないため、歩くこともできず、歩いても目的地には簡単にたどりつけません。こうした右脳の感覚を機械にも備えることができる技術が、弊社が取り組むAPです。

この技術は、右脳の役割が不可欠である自動運転や物流、IoTなど様々な分野に応用できます。

例えば自動運転車の位置特定にはいくつかの手法がありますが、市街地の屋内や地下駐車場ではGPSが届かなかったり、山の奥地では精度が悪かったりなどの理由から、正しい方向に進めなくなってしまうという課題が残っています。このような課題を解決するのが、空間把握を適切にできる技術であり、それがAPです。

これからの社会の発展を考えると不可欠な技術であり、世界が注目している分野です。その中でも我々の技術は汎用性・互換性を高く持たせており、特定用途以外での掛け合わせに強みがあります。もちろん特定分野への最適化も深く追求する方向もできるので汎用的なオールラウンドで活用が可能です。

加えて、LiDARそのものをSLAMとして活用することができる技術の研究開発が進んでおり、世界的に見てもかなり最先端の技術を提供できるフェーズにあると考えています。

ーー現時点でどのような企業がKudanの技術を導入しているのでしょうか

様々な企業で導入を進めておりますが、その1つは工場の自動化に取り組んでいる企業です。特に工場の中でモノを運ぶロボット(物流ロボット)への導入や研究開発が進んでいます。

既存の物流ロボットは、マーカーの上しか走れないことや固定のルートしか対応できないなどの課題があり、柔軟な動きができませんでしたが、弊社の技術を活用することで、状況に応じた有機的な動きができる物流ロボットを開発できるようになり、物流分野のさらなる効率化が期待できます。

2019年8月にはシーオス株式会社という物流をデジタル化するサービスを提供している企業と資本業務提携を発表しましたが、国内外の複数の有力パートナーとも同様の取組みをそれぞれ行い、技術的な実装に関するノウハウをため、技術側へフィードバックをしてソフトウェアの強化を進めています。物流分野でAPの研究開発・強化をすることで、より多くの工場にKudanの技術が使われるロボット導入が進むようになります。

AR/VRサービスを提供している企業にも弊社技術の導入を進めています。

AR/VRのヘッドセットを開発している企業では、ヘッドセットの周りの空間や自機の位置を把握する必要があります。これにはSLAMと呼ばれる自己位置推定と3次元立体図作成を行う技術が必要ですが、弊社ではKudanSLAMという独自のソフトウェアをライセンス契約を結ぶことで提供しています。

世界トップレベルの技術が可能にしたこと

ーー同業他社との違いは具体的にどの部分にあるのでしょうか

第3者へ技術提供している企業はいくつかありますが、弊社は特にトップレベルの人材とその技術力にこだわっています。

弊社はイギリスのブリストルに研究開発拠点を置いていますが、イギリスやドイツなどは世界的にみてもコンピュータビジョン研究が進んでいる地域です。その中でもオックスフォード大学、ブリストル大学、バース大学などで博士号を取得したメンバーが研究開発を進めています。

また、弊社は5G以降の世界では互換性のない商品や技術は将来的にインフラとなりづらいと考えており、汎用性・互換性を重視して、様々なモノや事業と融合できることを前提にAPなどの設計をしています。

しかしながら、技術の汎用性・互換性が高いと、様々な企業のニーズへ答えるための適応力の高さも求められます。

弊社では元マッキンゼーや元アクセンチェアといったコンサルタントや公認会計士などのメンバーが多数所属しており、技術を理解した上で、ビジネス上の制約を解決しながらビジネスを共同開発できる組織体制を備えています。加えてディープラーニングにおける技術的な実装経験者など新しい技術との融合やプロダクト開発を見据えた人材も採用しています。

ーーKudanの技術が組み込まれると具体的にどのようなことができるのでしょうか

先述の通りGPSが届かないところでも自動車やロボットなどの機械を動かせるようになるということや、スマートフォンなどにおいてもオドメトリなどのセンサーフュージョンによって、外部環境に左右されずにARの表現を豊かにしたり、そもそものイニシャライゼーションをなくすといったユーザーインターフェース、エクスペリエンスの向上を実現できると考えています。

加えて、インフラ保守点検業務では同様の風景が続き作業員の位置がわからなくなるといったことは良くあります。どこにいるか位置がわかれば、迷わずにどこを作業するかわかりますし、場合によっては外部から指示を出すこともできるようになります。火災など緊急の場合なども同様です。極端なことを言えば配管の中の地図も作れます。我々のLiDAR Slamを使えば海底のケーブル点検などをするための海底MAPを構築することもスコープにはいってくると思います。

また、スマートシティの基盤になる機能として、データ自体をリッチにするなどデータ取得からデータの活用にいたるまで人工知能とともにサポートできると思います。監視カメラなども現在の価格帯よりも安く簡易な使用ができるものも提供可能になります。

世界で戦えることを証明する

ーー今回Fundsを活用する理由を教えてください

今回集めた資金は子会社(日本、香港、中国)の設立と運営、Deep Tech企業への投資資金として活用予定ですが、Fundsは海外へ進出していく際の資金調達手段として有効だと考えています。

進出先の現地の銀行から資金を借りることもできますが、日本の金利と比較すると高いため、日本で資金を集めて海外展開の資金などに活用するのが合理的です。

また株式だと価格が日々変動するので、気軽に投資しづらいという方もいると思います。そうした方々に株式以外の形で弊社を応援いただける手段が増えることは嬉しい限りです。

弊社と同じような資金ニーズがある企業も多いと思いますし、こうしたFundsの活用は今後も広がっていくのではないでしょうか。弊社が先行事例となって、Fundsをきっかけにもっと世界へ出ていく企業が増えることを期待しています。

ーー今後の展望について教えてください

弊社は半導体設計大手のARM(アーム)ホールディングス(以下、ARM)のビジネスモデルを目指しています。

ARMはスマートフォンやIoTなどに組み込まれているCPUの設計に関するライセンスを販売しており、スマートフォンなどの増加に売上が比例するビジネスモデルです。

弊社のAPも自動運転やドローン、AR/VRなどの発展に比例して、事業成長できるビジネスモデルです。まだ規模が小さい弊社ですが、今後は自動運転車やドローンなどの全てのカメラに必然的に導入される技術を持つ企業であり続けられることを目指し、世界で戦えることを証明していきたいと思います。

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※:Kudan株式会社 成長可能性に関する説明資料(1/3)
※:Kudan株式会社 成長可能性に関する説明資料(2/3)
※:Kudan株式会社 成長可能性に関する説明資料(3/3)